日本の高等学校には「全日制」「定時制」「通信制」と課程が3つあり、通信制はそのうちの1つです。主な特徴として、高校在学中に行う勉強の学習量の基準の考え方が異なります。学習指導要領においては、通信制高校の学習量の基準として、各教科・科目ごとにスクーリング(登校による面接指導)とレポート(添削指導)の回数が1単位ごとに決められています。
全日制と比較すると比較的緩やかな学習量が下限の基準ですが、学校によっては、週に1日登校や、2日・3日登校、毎日登校など、多様な形態でコース設定を行っており、下限の学習基準を満たすだけではない学習形態となっています。
< 学習指導要領で定める学習量の基準>
各教科・科目 | 面接指導 (単位時間) | 添削指導 (回数・通数) |
---|---|---|
国語・地理歴史・公民・数学 | 1 | 3 |
理科 | 4 | 3 |
保健体育(体育) | 5 | 1 |
保健体育(保健) | 1 | 3 |
芸術・外国語 | 4 | 3 |
家庭・情報・専門教科科目 | 2~8 | 2~3 |
学年ではなく、単位を基準として学習量が決定される仕組みです。通信制高校の大半がこの単位制を採用しています。各生徒のニーズに合わせた学習計画を立てることが可能な仕組みです。
1年間に履修できる単位数は、各校により定められています。また、高校卒業に必要な最低単位数74単位修得までの計画は、各個人によって異なります。単位を基準に考える制度のため、年度内に単位修得できない科目については、次年度に再履修し修得を目指すことが可能です。学年が存在しないため「留年」が無いことも大きな特徴の1つです。
通信制高校の認知度の向上や、在籍者の低年齢化により、
従来のニーズに加えて、新たなニーズが発生しています。
通信制高校では、スクーリング・レポート・単位認定試験の3つを中心に学習を進め、科目ごとに単位修得を目指します。
高校卒業に必要な修得単位数は74単位以上です。また、74単位の修得単位の中には、高校の必履修科目の履修・修得が必要となります。
通信制高校には、他校からの転入学や編入学で在籍している生徒も多くいますが、他校での在籍経験があった場合、その在籍期間や修得単位は、通算在籍期間や通算修得単位として、認定されるケースが大半です。
また、3年間の高校生活の中で、学習ペースを調整することも可能です。また、事情があって進級できず、転校する場合でも、単位を平均より多く修得することを目指して頑張れば、同級生と同じ時期に卒業を迎えることも可能です。
★例えば「国語総合4単位:R12枚、S4時間」を修得する場合
◎期日までにレポート12枚提出して合格
◎期日までにスクーリング4時間分の出席
(一部、NHK高校講座やメディア視聴教材で時間数減免が可能)
◎レポート、スクーリングを終えると単位認定試験を受験可能
受験して合格→単位修得
(1)多様なコース・クラス設定
(2)登校日数軽減のために
(3)学校と保護者の連絡体制強化